〜見えないハードルと、突破するための視点〜
インターネットが当たり前になった今、WEBを使った集客は士業にとって不可欠な戦略の一つです。しかし、弁護士・税理士・社労士・司法書士など、他の士業と比べて、行政書士がWEBで成果を出すには“ひと工夫”以上の工夫が必要です。
「とりあえずサイトを作っておけば問い合わせが来るだろう」と考えていると、ほぼ間違いなく集客に失敗します。
では、なぜ行政書士のWEB集客は難しいのか?
その背景には、業務の性質・市場の特徴・ユーザー心理といった複数の要因が複雑に絡んでいます。
取扱業務の種類が多すぎて「専門性」が伝わりづらい

行政書士が取り扱える業務は、15000種類以上あるとも言われます。
たとえば―
これらをすべて「できる」と謳った場合、訪問者には逆に「何が専門なのかわからない」「この人に頼んで大丈夫かな?」という不安を与えてしまいます。
多機能な反面、専門性が伝わらず、「どこにでもある行政書士事務所」の印象になってしまいがちです。
競合が非常に多く、価格競争になりやすい
行政書士は、司法試験や会計士試験と比較すると参入障壁がやや低く、開業者数も多いため、都市部では特に競争が激化しています。
しかも、WEBでの集客に関しては「資格が同じ=やっていることが同じ」と見られやすいため、差別化が難しく、価格だけで比較されるケースも多々あります。
結果的に
こうした事態を避けるには、専門分野を明確に絞る+価値の伝え方を工夫する必要があります。
緊急性が低く、ユーザーが“今すぐ動かない”
たとえば税務調査や交通事故などのように「今すぐ対応が必要」という類のトラブルとは違い、行政書士業務はユーザー側にとって「後回しにされやすい業務」が多いのが特徴です。
このため、潜在顧客の“教育”が不可欠になります。
ブログやコラム、Q&Aなどを通じて「なぜ早くやるべきか」「失敗するとどうなるか」をわかりやすく伝えることで、見込み客の意識を変え、問い合わせにつなげる必要があります。
売り込みがしづらい“士業特有の制限”
行政書士を含む士業は、広告に一定の制限があります。
これにより、他業界のような「業界No.1!」「完全成功保証!」「絶対に安心!」という訴求ができません。つまり、「強い言葉で引きつけて問い合わせを増やす」という手法が使いにくいのです。
その分、丁寧な説明と信頼構築型のライティングが重要になります。誠実さや実績、口コミ、専門知識の蓄積など、“間接的な信頼の裏付け”を用いたマーケティング設計が求められます。
ホームページを「作っただけ」で止まってしまう
実際の現場でよくある失敗が、「事務所紹介+業務案内だけの名刺型サイト」で終わってしまうケース。
そのようなサイトでは、以下のような問題が生じます:
また、「無料ツール」や「格安パッケージ」などで作っただけで、更新されていないサイトもよく見かけます。
WEB集客は“育てる”もの。
作ったあとに育てていく(=改善・更新・発信を継続)意識がなければ、成果はついてきません。
成果が出るまでに時間がかかる
SEOやコンテンツマーケティングは、即効性のある広告と違って、成果が出るまでに3ヶ月~1年かかるのが普通です。
たとえば、以下のような行動をコツコツ続けていく必要があります:
- ブログやコラムの定期更新
- 内部リンクや構成の改善
- Googleアナリティクスで分析&改善
- SNSやGoogleビジネスプロフィールとの連携
この「継続力」を持てるかどうかが、大きな分かれ道になります。
行政書士だからこそ「中長期戦略」で勝てる
行政書士業務のWEB集客が難しいのは事実ですが、だからこそ他が諦めている分、差をつけやすいとも言えます。
成功のポイントは以下の3つ
例えば、ウィルホープ行政書士事務所では、開業前から10か月かけてサイトを育て、ようやく月20件の問い合わせが来るようになりました。 1か月あたり100〜150時間をかけて戦略的に構築・発信していた結果です。
成果が出るまでに時間はかかりますが、正しい道筋を描けば、WEBは最強の資産になります。