行政書士事務所開業までの流れ

「行政書士として開業するにはどんな準備が必要なの?」「行政書士で開業したところで食べていけるの?」行政書士の資格を取ったものの、実際に開業するとなると不安はつきませんよね。

行政書士として開業する場合の手順を示すと下記の通りです。

行政書士の開業までのロードマップ

行政書士試験に合格してから、行政書士事務所を開業するまでの流れについて説明します。

①情報収集

②事務所探し

③登録申請

④登録

⑤開業

①情報収集

まずは、行政書士登録に必要な情報を集めます。登録予定の事務所所在地の各都道府県行政書士会(行政書士会)のホームページを確認します。

あくまで、事務所所在地を管轄する行政書士会なので、自宅が埼玉県であっても事務所が東京都であれば東京都行政書士会のホームページを確認する必要があります。もし、自宅兼事務所であれば、自宅住所となります。

各都道府県行政書士会のホームページに、行政書士登録手続の案内が掲載されています。必要書類や登録料なども掲載されています。

次に、開業資金にいくらかかるかを算出します。行政書士事務所で最低限かかる費用は、行政書士登録費用です。行政書士登録費用は、行政書士会により異なります。目安としては30万円となります。

②事務所探し

情報収集をした後は、事務所探しをします。もちろん、自宅事務所でも開業が可能です。売り上げが不透明な場合は自宅の一室を事務所(自宅兼事務所)で開業をすると、事務所家賃がかからないので、資金繰り的に安心です。

ただし、行政書士の事務所住所は、日本行政書士会連合会のホームページで公表されてしまいます。HPなどで集客をする場合も事務所である自宅を公開しなければいけないでしょう。

自宅住所を公表されるのが嫌な人は、自宅以外の事務所をさがしましょう。

また、自宅事務所が賃貸の場合には、所有者(オーナー)さんから、行政書士事務所として利用しても良いという「使用承諾」を得る必要があります。

自宅事務所以外では、シェアオフィス、レンタルオフィス、賃貸物件があります。住所だけ借りるバーチャルオフィスや個室のないコワーキングスペースでは登録が難しいです。詳細は、自身が所属予定の行政書士会に確認しましょう。

③登録申請

事務所が決まった後は、いよいよ行政書士登録申請になります。都道府県行政書士会のホームページの行政書士登録の案内を確認し、必要書類を集めます。

また、行政書士は、仕事で使う印鑑「行政書士職印」を作る必要があります。行政書士職印は、各行政書士会により、サイズの指定があるので、発注前に必ず確認しましょう。

行政書士会によっては、事務所の調査が行われます。東京都行政書士会は、直接の訪問は無く、原則、事務所を撮影した写真にて審査がされます。

④登録

行政書士登録が完了すると、行政書士会から登録の案内が届きます。案内で指定された日に行政書士会入会式が開催されますので出席しましょう。日程が合わない場合は、行政書士会に連絡してください。

入会式では、行政書士会の徽章(バッジ)や会員証が交付されます。案内書やパンフレットなどたくさんの書類が渡されますので、たくさんの書類を持ち帰れるようにしておきましょう。

行政書士登録後は、税務署等へ個人事業主の開業届等の手続きを行います。また、事務所用の銀行口座を準備しましょう。個人登録の場合、個人で使用していた口座でも問題ありませんが、事務所名が入った口座は、信用につながります。

業務を行うにあたり、実務書式を入手します。申請書類は、役所のホームページに掲載されているため、ホームページのURLをブックマークしておきます。電子申請化が進められているため、ブラウザを使いやすく設定しておくことは実務処理上重要です。また、ヒアリングシートや要件確認シート等は、WordやExcel等で作っておくと、相談時の対応がスムーズに行きます。

⑤開業

いよいよ開業段階となります。

事務所を開業したことを知ってもらうため、開業挨拶の送付、ホームページの公開、名刺の作成などを行います。事務所の複合機、パソコンなども準備します。

特定行政書士を目指す場合は、特定行政書士の研修に申込み、考査試験に合格する必要があります。合格率は6~7割となっています。

外国人の在留資格の申請をしたい場合は、申請取次研修を受講し、申請取次行政書士になる必要があります。なお、書類作成のみであれば、申請取次行政書士でなくても業務を行えます。

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