
新人行政書士が開業する場合、事務所の登録をしなければなりません。イニシャルコストを抑えるために自宅を事務所として登録を検討している方も多いのではないでしょうか?
今回は、自宅兼事務所で開業する際のメリット・デメリットについて説明いたします。
自宅で開業するメリット
自宅で開業する最大のメリットは事務所家賃とその費用を削減できることです。事務所を借りるためには、保証金(敷金)や礼金などが必要になります。いくら事務所家賃が安いところを見つけられたとしても、最低でも家賃の3カ月分くらいは支払う必要があります。
これらを削減することで、事業資金を確保することができるのです。開業当初は自宅事務所で開業し、仕事が受任できるようになってから自宅外に事務所を設けるというのも有りです。
そのほかのメリットとしては、「通勤時間の短縮」があります。
通勤時間の短縮
自宅事務所は、事務所への移動時間がありません。通勤時間分を勉強やプライベートに使うことができます。開業したばかりの時は、時間を有効活用することが求められるので、大きいなメリットです。
また、行政書士は書類を預かりることが非常に多いです。宅急便で書類を送ってもらう際に自宅兼事務所であれば、長期休みになった際でも郵便物を確認できます。不在時でも、家族がいれば郵便物等の受取りをしてくれます。
いつでも業務ができるため、家事や育児との両立もできます。
自宅で開業するデメリット
個人的には、自宅で開業するデメリットは新規のお客様との打合せがしずらいことだと思っています。
もちろん業務内容によってはオンライン打合せやお客様の事務所に訪問して打合せをすることも考えられます。しかし、全員がオンライン打合せに対応しているとは限らないですし、毎回訪問するのも時間がとられてしまいオススメできません。そのため、業務内容や今後の事業発展において事務所が必要なのか不要なのかを検討する必要があります。
なお私が大手行政書士法人に所属していた時は、新規打合せを月20件ほど行っていました。この場合にすべて訪問するのはかなり厳しいですし、オンライン打合せも行っていましたが、お互い書類を確認しながらの打合せになるので、結果的に対面打合せの方がスムーズに仕事ができると判断していました。
相談者・依頼者からのイメージ低下
ここも業務内容によりますが、自宅とは別に事務所があったほうが一般的に信用される傾向があります。すでに信頼関係ができていれば自宅でも大丈夫だと思いますが、新規お客様と打合せする場合に自宅だと驚かれることが多いです。
なお、自宅の所在が一等地や高級マンション等であればイメージは上がるかもしれません。お金をもっていると仕事で成功しているイメージがあるため、比較的信用される可能性は上がります。
人を雇うことが難しい
自宅の場合、自宅外事務所に比べると人を雇うことが難しいことが多いです。採用される側に立つとイメージしやすいですが、雇用主の自宅で仕事をするより、事務所で仕事した方がいいですし、もし来客がある場合でも、雇用主とその家族の予定を考えてスケジュールを組む必要もあります。
せめて、自宅玄関と事務所入口を別にするなど、自宅部分と事務所部分を完全に分離させると、働く方も安心します。
自宅の住所がバレる
行政書士の事務所所在地は、日本行政書士会連合会のホームページで公表されます。
公表される項目は、以下となります。
- 登録番号
- 所属行政書士会
- 属性(個人開業、個人使用人、社員)
- 登録年月日
- 事務所の名称
- 事務所所在地
- 事務所電話番号
- 特定行政書士
- 主な取扱い業務(選択)
- URL(ホームページ、任意)
- メールアドレス(任意)
名刺や申請書にも行政書士事務所の住所を記載するため、依頼者、相談者、関係者に自宅住所が判明します。
賃貸であれば、何かあれば引っ越してしまえばいいと思いますが、所有物件の場合はそう簡単にいきません。
行政書士が自宅で開業するメリット・デメリット:まとめ
このページでは、行政書士が自宅で開業する場合のメリットとデメリットについて紹介しました。
行政書士事務所の登録には事務所は必須ですが、自宅兼事務所にするか、賃貸オフィスにするかな等は事業計画に沿って慎重に決めなければなりません。
ビルグレードの高い事務所を借りることで、賃料は高くなってしまってもそれで集客効果が見込めるのであれば良い選択になるかもしれません!
HP力を強化するのであれば、自宅兼事務所にして削減した家賃をWEB制作費用にするという選択もいいと思います。