~行政書士ホームページ制作、後悔しないために~
行政書士として開業準備を進めるなかで、ホームページの制作は非常に大切な一歩です。
しかし、「できるだけお金をかけたくないから」「とりあえず無料ツールで…」と安易に制作を始めると、かえって集客できない・問い合わせが来ない・時間ばかり浪費するという事態になりがちです。
ここでは、「費用をかけずに作ってみたけど、まったく成果が出なかった」という事態を防ぐために、開業初期から確認しておくべき13の実務的チェックポイントを解説します。
ターゲットが明確か?誰に向けて書いているか?

ホームページは「とりあえず自己紹介」ではなく、「誰の悩みをどう解決するのか」を示す媒体です。
「行政書士として何でもやります!」という漠然とした姿勢では、何にも刺さらないサイトになってしまいます。
「無料サービス」の限界を理解しているか?
無料ツール(Wix・ペライチ・Jimdoなど)は簡単で魅力的に見えますが、このような制限があります。
→ 長期的には“育てられないサイト”になる可能性が高く、初期費用ゼロの代償は意外に大きいです。
見た目ばかりを重視していないか?
見栄えの良いデザイン=成果が出るわけではありません。行政書士ホームページにおいて重要なのは「誰に対して、どう信頼されるか」。
- 情報が整理されている
- 信頼感のある写真やプロフィール
- 問い合わせしやすい導線
このような戦略的な設計がなければ、「見た目だけの自己満足サイト」に終わります。
SEOの基本を理解しているか?

「検索される文章」「タイトル設計」「キーワードの使い方」など、SEOの基礎知識がなければ、せっかく書いた記事も誰にも見つけられません。
無料で作る場合こそ、自分で集客の仕組みを作る必要があり、SEOの考え方は必須スキルとなります。
必要なページはそろっているか?
意外と多いのが、次のような「基本ページが抜けている」ケース。
これらが欠けていると、どれだけ見栄えがよくてもユーザーは離脱します。
実績がなくても信頼される構成になっているか?
開業初期は当然、実績が少ない状態です。そのなかで信頼を得るには―
といった“人となり”が伝わる内容が重要。実績の代わりに「誠実さ」と「理解力」で信頼を勝ち取る設計を意識しましょう。
フォームやCTAが機能しているか?

→ このような設計不備があると、どんなに情報を伝えても、依頼には一切つながりません。
スマホ対応しているか?
いまやユーザーの7割以上がスマホでアクセスしてきます。
なのにスマホでの表示が崩れていたり、文字が小さすぎたりすると、即離脱されます。
無料ツールでもスマホ最適化は可能なものが多いですが、実機で必ずチェックすることが大事です。
ちなみに、弊社グループ企業のウィルホープ行政書士事務所では、建設業許可を専門としたサイトでは、PCが8割・スマホ2割というデータがあります。企業向けなのか個人向けなのかをキチンと理解する必要もあります。
▼令和7年6月29日~7月6日(28日間)のデータ

SNS・地図検索との連携ができているか?
ホームページ単体で集客しようとせず、
といった外部との連携を意識することで、アクセス経路が広がり、SEOにも良い影響を与えます。
継続的に情報発信できる設計か?
ホームページは一度作ったら終わりではありません。
定期的に記事やお知らせを更新し、育てていく資産型のメディアとして活用する必要があります。
無料ツールは「更新しにくい」「記事の追加がしづらい」ケースもあるため、運用性を確認しましょう。
トラブル対策(セキュリティやバックアップ)まで見ているか?
このような基本的な安全対策がないと、トラブルが起きたときに大きな信用リスクとなります。
自分の「時間コスト」を軽視していないか?
「ホームページくらい自分で作れるだろう」と思って、無料ツールやWordPressを使って制作を始める行政書士の方は少なくありません。確かに、最近は直感的に操作できるツールも増えていますし、テンプレートも豊富にあります。
しかし実際にやってみると、想像以上に時間がかかることに気づきます。
…こういった流れにハマってしまうと、本来の「業務準備」や「営業活動」が後回しになり、開業のスピードが著しく落ちてしまうことすらあります。
さらに、「結局、途中で挫折して放置してしまった」「半年経っても未完成」という状態になると、“自分の貴重な開業準備期間”を無駄にしてしまうことにもなりかねません。
長期的に「育てていける土台」か?
1年後、2年後に業務が広がったとき、「柔軟に対応できるサイトかどうか」は非常に重要です。
このような将来性のある構造かどうかを、事前に確認しましょう。
まとめ:「無料で作れる」よりも、「育てられる」が正解
行政書士業は信頼で成り立つ仕事です。だからこそ、「費用をかけなかったことで信頼を失うサイト」では意味がありません。
もちろん、低予算でスタートすること自体は悪いことではありません。
ただし、安さだけで選ぶのではなく、「戦略性」「育てやすさ」「成果につながる構造」があるかどうかを冷静に判断することが大切です。
ちなみに、ウィルホープ行政書士事務所では、ホームページを作成し、安定的に「月20件以上」の問い合わせを獲得できるようになるまでに、約10カ月の時間をかけました。
この間、1カ月あたりで投じた作業時間はおおよそ100〜150時間。単純計算でもトータルで1,000時間以上の時間を、ホームページの構築と改善、SEOライティング、記事作成、アクセス分析などに費やしていたことになります。
このような成果が比較的早く出た背景には、「開業当初から1年後を見据えて設計・運用を行っていた」という戦略的な取り組みがありました。とにかく早く結果を出すというよりも、「育てる視点」で腰を据えて取り組んだことが、結果的に成果に結びついたのです。
一方で、独立後にすぐ売上が欲しい、という気持ちは当然あるでしょう。しかし、ホームページで集客を成功させるには、どうしても育てる必要があることを理解しておく必要があります。
「無料ツールでサクッと作ればすぐ問い合わせが来る」という甘い見通しでは、途中で挫折してしまうことも多いです。だからこそ、ホームページは短期決戦ではなく、中長期で「資産として育てていく」視点が欠かせないのです。